第1話 満員電車
満員電車が嫌いだ。
最寄り駅は駒込なので、朝9時渋谷に集合とかだと山手線のラッシュに鉢合わせてしまう。
東口の階段を登り、正面からやって来た緑の電車の窓には無数のスーツ姿。
そのまま電車を見送り、近くのカフェで熱いコーヒーを飲みながらホットサンドでも頰張りたくなる。
昔見た冤罪の映画(それでもボクはやってない - Wikipedia)があまりにも印象的で頭に残っているので、満員電車に乗るときは必ず何かしらを掴むようにしている。
近くにいる女性が全員敵に見えてしまう。損な性格だ。
互いに無関心な他人の集団が、おし合いへし合い乗降を繰り返す。
上京当初は降りたい駅で降りることができず、ターミナル駅まで乗り過ごしてしまうこともあった。
そんな昔の自分を思い出しながら、 今日も隣の他人を押しのけ、渋谷に繰り出す。